Claude Codeでメール下書きを自動生成する仕組みの作り方
なぜメール下書きをClaude Codeで自動化するのか
ビジネスメールの作成は、1通あたり5分から10分かかることも珍しくありません。書き出しの挨拶、本文の構成、締めの言葉、敬語のチェックと、内容そのものより「体裁を整える作業」に時間を取られがちです。1日に5通書く人なら、下書きだけで30分以上を使っている計算になります。
Claude Code(Anthropicが提供するターミナル型のAIツール)は、プログラミング用と思われがちですが、実態は「ファイルを読み書きできるAIアシスタント」です。自分の文体や署名、よく使う定型パターンをファイルとして保存しておき、毎回それを読み込ませて下書きを作らせる仕組みが簡単に作れます。ChatGPTなどのチャット型AIとの大きな違いは、設定を毎回貼り付け直す必要がなく、フォルダを開くだけで「自分専用のメール秘書」が立ち上がる点です。
この記事では、「用件を1行伝えるだけでメール下書きが生成される仕組み」を、初心者向けの手順で作っていきます。
仕組みの全体像
用意するものは次の3つだけです。
- 設定ファイル(CLAUDE.md): 署名・文体・敬語レベルを書いたファイル
- テンプレート: 依頼・お礼・日程調整など、よく書くメールの型
- 保存ルール: 生成した下書きをテキストファイルとして残す決まり
一度作れば、あとは「田中さんに納期延長をお願いするメール」のように入力するだけで、自分の文体に沿った下書きが数十秒で手に入ります。
手順1: Claude Codeを導入する
- ターミナル(Macなら「ターミナル」、Windowsなら「PowerShell」)を開きます。
- Node.jsが入っていれば、次のコマンドでインストールできます。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
- インストール後、
claudeと入力して起動し、画面の案内に従ってAnthropicアカウントでログインします。利用には有料プラン(Pro等)またはAPI課金のいずれかが必要です。
手順2: メール専用フォルダと設定ファイルを作る
- ホームフォルダに
mail-draftsのような専用フォルダを作ります。 - その中に
CLAUDE.mdというファイルを作り、自分のメールのルールを書きます。Claude Codeは起動時にフォルダ内のCLAUDE.mdを自動で読み込むため、ここに書いた内容は毎回の生成に反映されます。
# メール下書きのルール
## 署名
株式会社サンプル 営業部 山田太郎
tel: 03-0000-0000
## 文体
- 敬語は丁寧だが硬すぎない(「〜いたします」の多用を避ける)
- 1段落は3行以内、全体は15行以内
- 結論を最初の3行以内に書く
- クッション言葉は1通に1回まで
## 出力ルール
- 件名の案を3つ出してから本文を書く
- 完成した下書きは drafts/日付_宛先.txt に保存する
- 不明な情報は【要確認】と明記し、推測で埋めない
- ポイントは「文体」の項目です。自分の過去メールを2〜3通見返して、よく使う言い回しや段落の長さを箇条書きにしておくと、生成される下書きが一気に「自分らしく」なります。
手順3: 実際に下書きを生成する
フォルダ内でclaudeを起動し、用件を伝えます。プロンプトは次の型をそのままコピーして使えます。
以下の条件でメール下書きを作成してください。
- 宛先: 株式会社ABC 田中様(取引先・面識あり)
- 用件: 資料送付のお礼と、来週の打ち合わせ日程の候補提示
- 候補日: 7/22(火)14時以降、7/24(木)終日
- トーン: 丁寧だが親しみを残す
宛先との関係性(初めての相手か、社内か、目上か)を1語添えるだけで、敬語のレベルが適切に調整されます。生成された下書きはCLAUDE.mdの指定どおりdraftsフォルダに保存されるので、過去の下書きが履歴として自動で溜まっていきます。
手順4: 返信の下書きも自動化する
受信メールへの返信は、元メールを貼り付けるだけです。
次のメールへの返信を下書きしてください。
先方の質問には全て答え、答えられない項目は
「確認のうえ明日中に回答する」と書いてください。
---
(ここに受信メールを貼り付け)
---
「質問に全て答える」という一文を入れておくと、返信漏れの防止にもつながります。急ぎの返信ほど読み落としが起きやすいので、この型は特に効果を実感しやすい部分です。
手順5: テンプレートを育てる
うまくいった下書きは、templates/お礼.mdのように型として保存し、CLAUDE.mdに「お礼メールはtemplates/お礼.mdの構成に従う」と1行追記します。使うほど自分専用の型が増え、生成の精度が上がっていく、というのがこの仕組みの一番の利点です。なお、Claude Codeが使えない環境では、ChatGPTなどのチャット型AIに同じCLAUDE.mdの内容を最初に貼り付ければ、近い効果が得られます。
つまずきポイント: 敬語や事実関係が微妙に違う
よくある失敗が「生成された下書きをノーチェックで送りそうになる」ことです。AIは日付や金額、固有名詞をもっともらしく補ってしまうことがあり、敬語も相手との関係次第では過剰・不足が起きます。対処はシンプルで、送信前に固有名詞・数字・日付の3点だけは必ず目視確認するとルール化することです。前述のとおりCLAUDE.mdに「不明な情報は【要確認】と明記し、推測で埋めない」と書いておくと、AI側が曖昧な箇所を空欄にしてくれるため、確認作業がぐっと楽になります。
また、社外秘の内容や個人情報をそのまま貼り付けるのは避け、社名を伏せ字にする、固有名詞を後から手で入れるなど、勤務先のAI利用ルールに沿った使い方を心がけてください。
まとめ
Claude Codeでメール下書きを自動化する仕組みは、①専用フォルダとCLAUDE.mdで文体と署名を定義する、②条件を箇条書きで渡して生成する、③良い下書きをテンプレート化して育てる、という3ステップで作れます。最初の設定は30分もあれば十分で、その後は1通あたりの作成時間を大きく減らせる可能性があります。まずは今日、自分の署名と文体ルールをCLAUDE.mdに書き出すところから始めてみてください。
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